

立ち上げもニュアンスも!メンズスタイリング 『SHIMA』奈良裕也さん
HOW TO | SALONIA COLUMN Vol.96
今回ご登場いただくのは、世界のセレブレティからも指名を得る人気スタイリスト、「SHIMA」の奈良裕也さん。今や美容業界のみならず、東京のファッションアイコン的存在でもある奈良さんには、SALONIAのヘアドライヤーとストレートアイロンをご使用いただきました。根元の立ち上げや毛束のニュアンスの出し方など、コツを押さえるだけで簡単にトレンド感のあるメンズスタイリングが完成する方法を教えていただきました。

奈良裕也さん
美容室SHIMAアートディレクター / クリエイティブスタイリスト。
サロンワークをはじめ、ヘア&メイクアップアーティストとして海外のアーティストやセレブを手がけ、ファッション誌や業界誌、ヘアショー、コレクションなどで活躍中。モデルやDJとしての活動など東京のファッションアイコン的存在。
髪の根元の立ち上げはヘアドライヤーやストレートヘアアイロンで作る!
奈良:今回は、SALONIAのドライヤーとストレートアイロンを使って、メンズヘアの基本スタイリングをお伝えしたいと思います。根元の立ち上げ方や、毛先のハネさせ方、動きのあるテクスチャーの作り方など、スタイリング方法をお伝えできたらと思いますのでぜひ参考にしてください。
前髪の立ち上げテクニック
奈良:まずは何もスタイリングしていない状態から始めます。寝グセがついているので、水で濡らしてドライヤーで根元を立ち上げるようにして、乾かしていきます。立ち上げたい分け目の根元に温風をあて、根元を隆起させたら次に冷風を当てるだけでクセがつきます。
- ①最初に水でスプレーし、乾いた髪の毛の4割くらいを濡らす。
- ②ドライヤーを「TURBO」モードにして立ち上げたい前髪の根元に温風を当てる。
- ③次に「COOL」モードにして同じ場所に冷風を当てる。
<POINT>
ドライヤーの温風と冷風を使い分けて根元を立ち上げる。髪の毛は温かい時ではなく、冷やしてあげた時にクセがつく。
ストレートヘアアイロンの使い方
奈良:次に、ストレートヘアアイロンを使ってスタイリングをします。SALONIAのストレートヘアアイロンは230℃まで設定できるのですが、僕は高温が好きなので180〜190℃くらいが目安です。メンズの髪の毛は太い方が多いので、あまり低温でやるとクセがつきづらく、100℃後半がベストだと思います。一般の方は髪の毛へのダメージを考慮すると160℃くらいがおすすめです。
根元を立ち上げるには、アイロンではさむのではなく、プレートを髪に当ててスライドするという方法があります。SALONIAのアイロンは細いのですごく小回りが効いて使いやすいですね。髪が折れないのも嬉しいです。顔周りの髪はスライドさせて流す感じに。これもずっと同じ箇所をやるというよりは、スライドで流してあげると、より自然な流れができます。そのあと手ぐしでかきあげると自然な流れができます。反対側も同じようにやるとで自然なニュアンスの外ハネが完成します。トップにボリュームが出にくい人は、前髪と同様にトップの髪の根元をスライドしてあげると膨らみます。
- ①前髪の立ち上げたい部分だけをとり、ヘアアイロンの片方のプレートだけを前髪に当て、スライドさせて強めに引く。
- ②①とは反対側の前髪も同様にヘアアイロンを当ててスライドする。
- ③顔まわりの毛束をとり、ヘアアイロンではさんでスライドして流す。
- ④手ぐしでかきあげて自然な流れを出す。
<POINT>
根元を立ち上げたいときは、ヘアアイロンではさむのではなく、スライドさせて強めに引く。
立ち上げスタイリングのポイント
奈良:次に、スタイリング剤をつけてヘアスタイリングをします。僕はいつもヘアクリームとワックスを混ぜているのですが、オイルでも結構です。ヘアアイロンしたあとに毛先がパサっとなってしまう人も多いと思うので、毛先に水分を入れ込むために最後にオイルも揉み込んであげてください。先に後ろからつけて、その後前からかき上げるようにつけてください。そして、流した毛先を散らすなど、細かいディティールを作って動きのあるニュアンスを出し、立ち上げた根元にもしっかりつけてあげたら完成です。
- ①ワックスとヘアクリームを手に取り、手のひらで混ぜた後に後ろ側からつける。
- ②全体的に髪をかきあげるようにしてつける。
- ③オイルを毛先に揉み込むようにつける。
- ④流した顔まわりの髪を耳にかけて、前髪にニュアンスをつくる。
- ⑤スプレーを全体的にかけてキープする。
<POINT>
ワックス、クリーム、オイルなど、髪質によってスタイリング剤を使い分けよう。
ダウンスタイルのドライテクニック
奈良:次はダウンスタイルのスタイリング方法をお伝えします。ダウンスタイルなので、ドライヤーは下からあてず、上からあててください。前髪が割れてしまう人は、両サイドから乾かしてあげるとちょうどいい感じに綺麗に乾きます。
- ①最初に水でスプレーし、乾いた髪の毛の4割くらいを濡らす。
- ②ドライヤーを「TURBO」モードにして頭の上から放射線状に下げるようにして乾かす。
<POINT>
ダウンスタイルのときは、ドライヤーを下からあてない。
ヘアアイロンで作るマッシュベースヘア
奈良:次に、ヘアアイロンを使用して、動きがある感じの人気のマッシュベースのヘアを作っていきたいと思います。髪が細めの方は160℃設くらいに設定し、髪の内側と外側を、内巻きと外巻きの交互にして動きを出します。 SALONIAのヘアアイロンは細いので、こういった細かいディテールを作る時にとても使いやすいです。
まずは髪の中間から毛先に向けて内巻きと外巻きにワンカールしてゆるく流していきます。最初は難しいと感じるかもしれませんが、慣れるとヘアアイロンを回転させる方向を前方向や後ろ方向にするだけなので意外と簡単です。このスタイリングの一番のポイントは、前髪の内側だけをストレートにすることですね。これさえ決めておけば、トップをくしゃっとクセづけるだけで動きが出ます。ヘアカットと一緒で決めたいところのラインだけを守ってあげれば、少しハネても気にならないです。
- ①全体をくしでとかす
- ②髪の毛の中間から毛束をとりワンカールする。
- ③髪の内側と外側を、内巻きと外巻きの交互にして動きを出す。
- ④襟足を少しハネさせる。
- ⑤前髪の内側をストレートにする。
- ⑥前髪の毛先だけを左に流す。
- ⑦最後にサイドの毛束を左右対称にするなど、全体的にニュアンスを出す。
<POINT>
前髪の内側部分だけを最初にストレートにすることや、外側の襟足部分を外ハネにするなど、ベースを押さえることが上手くいくポイント。
マッシュベースヘアのスタイリング
奈良:仕上げのスタイリングは、くしでスタイリングすると、手だけでやるよりもツヤが出るので効果的です。最後にグリースを少しだけ毛先などのポイントにつけて動きを出してあげると、ヘアアイロンで巻いたところのニュアンスが出ます。
- ①ワックスとヘアクリームを一対一ぐらいの割合で手のひらに伸ばし、後ろからスタイリングを一度くずす感じでつける。
- ②余ったクリームを前髪につける。
- ③くしでサイドの髪の毛の内側をとかし、トップはボリュームを出す。
- ④グリースを少し手にとり、毛先のニュアンスを出す。
- ⑤最後にスプレーをかけて完成。
まとめ
いかがでしたか? 今回は奈良さんご自身とモデルさんの、二通りのスタイルを作っていただきました。ヘアドライヤーは温めて冷やす時にクセがつくということ、根元を立ち上げたいときはストレートヘアアイロンが役立つこと、髪質によって使用温度を変えることなどなど、いくつかのポイントを教えていただきました。難しく考えず、基本を押さえながら好みのスタイリングに挑戦してみてくださいね。