

ダメージ髪に!低温スルーテクニック 『LECO』内田 聡一郎さん
HOW TO | SALONIA COLUMN Vol.98
今回ご登場いただくのは、業界のトップランナーとして活躍し続ける「LECO」の内田聡一郎さん。次々と生み出されるハイクリエーション作品が注目され続けている内田さんには、SALONIAのストレートヘアアイロンをご使用いただきました。教えてもらうのは、ハイトーンや髪のダメージが気になる方向けの「低温スルー」です。

内田聡一郎さん
2003年より原宿のサロンでトップディレクターとしてサロンワークをはじめ、一般誌、業界誌、セミナー、ヘアショー、著名人のヘアメイク、商品開発など様々な分野で活躍。また2020年にはJapan Hairdresser of the yearを受賞。代表として今後一層の活躍が期待されている。
髪に負荷なくヘアアイロンを使用したい時のおすすめテクニック「低温スルー」とは?
内田:美容室LECOの内田聡一郎です。今日はSALONIAのストレートヘアアイロンを使って、ダメージが気になる方へ低温スルーのやり方をお伝えしたいと思います。普段LECOではハイトーンをされるお客様がとても多いのですが、アイロンを使うときにどうしてもダメージが気になります。その際に僕は低温スルーという技法をオススメしています。低温スルーをすれば髪に負荷をかけずにアイロンをすることが可能になり、ダメージも気にならなくなります。
低温スルーとは?
内田:普段みなさんはアイロンを何度で使っていますか?高い温度で設定していないですか?サロンワークをしていると180℃くらいの高めの温度で使用している方が多い印象です。僕が今回おすすめするのが低温スルーです。スルーというのはアイロンで挟んで優しく通すというやり方です。温度は120℃くらいの低温に設定することをおすすめします。120℃って低すぎない?と不安に思うかもしれませんが問題ありません。むしろ、こういったハイトーンの方が180℃以上の高温を使用するとものすごく傷みが出てしまいます。高温の方が形を作りやすいのですが、髪の毛の内部がダメージをどんどん受けてしまうのです。
低温スルーのやり方
内田:それでは早速低温スルーのやり方をお伝えします。一番大事なのは、襟足部分です。ここをしっかりとストレートアイロンをかけられているかがすごく大事です。ぎゅっと握りしめて、強くプレスする必要はありません。弱すぎてもダメなのですが、適度に優しく握り込む程度のプレスがベストです。一回一回くしでとかしながら、しっかりと肩に沿うようにストレートタッチに面が揃ったら成功です。
次に頭の真ん中のセクション、サイドの順にやってみてください。表面は髪の毛が傷みやすい部分なので、プレスは優しめにしてあげてください。モデルさんはサイドの髪を少し短く切られているので、上と下2つに分けます。顔周りに沿うように少し内に入るようにプレスします。そうすると綺麗に頬骨に沿った内巻きが完成します。これだけで120℃でもかなりキレイに目が整ってなおかつ毛先、顔周りの毛先を持っていきたい方向に毛がしっかり流れているのがわかると思います。SALONIAのストレートヘアアイロンはプレート部分が薄いのでおでこに当たらず安心して使えるのが良いですね。
- ①ストレートヘアアイロンを120℃に設定する。
- ②後ろの髪の毛をダッカールやヘアゴムでブロッキングして襟足の髪をくしでとかす。
- ③優しく握り込む程度の力で根元から首に沿わせるようにゆっくりとアイロンを通す。
- ④もう一度③の真ん中をくしでとかしてゆっくりとヘアアイロンを通す。
- ⑤トップの髪の毛をブロッキングして頭の真ん中部分を二分割してゆっくりとヘアアイロンを通す。
- ⑥トップの表面の髪の毛は放射線状に生えているので、その流れに沿うように後ろの髪から少しずつ毛束をとり、くしでとかしてからアイロンの角度を少し上に上げてゆっくりとヘアアイロンを通す。
- ⑦サイドの髪の毛を上と下2つに分けますし、下の髪をくしでとかしてから顔まわりに沿うように少し内側にヘアアイロンを通す。
- ⑧⑦の上の髪の毛も同じようにくしでとかしてから顔まわりに沿うように少し内側にヘアアイロンを通す。
- ⑨前髪も同様に少し内側にヘアアイロンを通して完成。
<POINT>
低温スルーの一番のポイントは、ゆっくりとヘアアイロンを通すこと。毛束をとり、毎回くしでとかしてからヘアアイロンを通すことでツヤが出て美しい仕上がりに。⑤以降の表面の髪の毛は傷みやすいので、さらにアイロンのプレスを弱めにすると髪に優しい。
スタイリングのポイント
内田:最後にスタイリング方法をお伝えします。ツヤを出してなおかつ程よく外にハネさせつつ内側に入れるというようなツヤ重視のスタイリングにしたいので、バームミルクというタイプのスタイリング剤をつけていきたいと思います。バームミルクはそんなにセット力がないのですが、非常にツヤを出すことに特化した優秀なアイテムです。しっかり手にとって指の隙間までバームミルクをつけます。しつこいぐらい混ぜてあげることがポイントかなと思います。一度手にとったバームミルクで十分に全体的に行き渡るので、追加でスタイリング剤を使うことはしなくて大丈夫です。何もつけていない時よりも、全体的な毛束感やツヤがアップするかと思います。アイロンの後はこういったスタイリング剤をつけてあげるだけで、一日中いい感じのスタイルをキープできますよ。
- ①バームミルクを手に取り、手のひらでしっかり混ぜて後ろの内側の髪からつける。
- ②毛先、中間の順に全体的につける。
- ③余ったバームミルクで表面をなでる。
- ④顔まわりの毛は手ぐしでさらっとつける。
- ⑤前髪はつまむようにつける。
<POINT>
表面や前髪には余ったバームミルクをさらっとつける程度でOK。
内田:低温スルーをするときのおさらいですが、まずはしっかり髪を乾かしてからアイロンをかけてください。あまり乾いてない湿気が強い髪の状態でアイロンをかけてしまう方もいらっしゃいますが、非常に痛む原因となります。ただ、ドライをしすぎてもダメージの原因になりやすいので適正のドライ加減が理想です。どのぐらいかというと触った時にあまり湿り気がないさらっとした状態になっているかを確認することがポイントです。
そして低温スルーですがストレートヘアアイロンの温度は120℃が目安です。厚めの毛束でやるときは130℃ぐらいでも構いません。最大のポイントとしては、ゆっくりアイロンを通すことです。今回はハイトーンの方でしたが、普段カラーリングでダメージを気にされている方もぜひ低温スルーを取り入れると効果的にストレートヘアアイロンを楽しんでいただけると思います。
まとめ
いかがでしたか? 今回は内田さんにSALONIAのストレートヘアアイロンを使って、ダメージが気になる方向けの低温スルーのやり方を教えていただきました。120℃の低温でゆっくりアイロンを通すだけでツヤが出て、高温でプレスしたかのようにきちんと美しく仕上がっていることに驚きですよね。ハイトーンの方はもちろん、カラーを繰り返して髪のダメージを気にされている方などもぜひ試してみてください。